薬のネット販売の是非
薬のネット販売について各社の社説の縮約
日本経済新聞「薬販売「対面なら安全」は神話にすぎない 」
6月、首相は一般医薬品のインターネット販売について「安全性を確保しつつ、しっかりしたルールのもとですべて解禁する」と述べた。
しかし、安倍政権は「劇薬」として指定した5つの薬のネット販売を認めない方針を決めた。医療用医薬品から転用させた市販薬は最長3年間、ネット販売を禁じる。
政府の規制改革会議は、①買い手への情報提供や情報収集の確かさ②買い手が何度でも説明を受けられる-など安全性を高めるネット販売に利があると表明した。
審議を通じて5つの薬を対面販売にかぎる科学的根拠を示す責務が厚労相にある。
市販薬について、私たちは患者と消費者の利益を第一に考えるべきだと指摘した。服薬時の注意を薬剤師が買い手に周知させるのは当然。対面でもネットでもそれを実行させる仕組みづくりこそが、消費者本位の薬務行政であろう。
原文
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO62223990X01C13A1EA1000/
読売新聞「薬のネット販売 やむを得ない最低限の規制」
政府は、市販薬のインターネット販売に関し、医療用医薬品から切り替えた薬の場合、3年以内に解禁する方針を決めた。市販薬の99.8%はネット販売が認められる。
「3年以内」の適用対象になる市販薬は23品目ある。劇薬指定の5品目の販売は禁止される。
政府決定の根拠は、医学・薬学の専門家による見解だ。医療用医薬品からの転用薬に、「薬剤師が使用者の症状などを直接判断すべきだ」と指摘した。
楽天の三木谷会長兼社長は、政府決定に反発し、法案が成立すれば提訴する構えだ。産業競争力会議の議員は辞任する意向。
いかに副作用被害を防ぐか。厚労省は、ネット販売を薬局・薬店として許可された店舗持つよう求める。大量購入を防ぐ手段をとることも必要。
利用者は、副作用などをネットで確認し、購入することが大切だ。
原文http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20131106-OYT1T01371.htm
新聞ごとにだいぶ見解が分かれてますね。
気になるのは、安全性のために「薬剤師が使用者の症状を直接判断すべきだ」と言っているが、ドラッグストアの薬剤師がそんなことしてるだろうか。そもそもそれほど症状の判断が難しいのであれば、ドラッグストアで買えること自体が疑問です。
ただ、ネット販売は通常注文してから1,2日はかかることが多いので、医薬品に対するネット販売の需要はそれほど高くないと思う。
とりあえず、今回の決定でほとんどの医薬品はネットで買えるのだから、それでいいでしょ。
もっと重要なことに時間を割いてもらいたいですね。